ねえねえパピちゃん!ワクチンって何歳になったら終わりなの?
だいたいの予防接種は10歳までに打つことが多いよね。でも、10歳を過ぎても打つワクチンもあるんだよ!
予防接種、終わったと思っていませんか?
実は「思春期に受ける予防接種もある」という事を知ってもらいたいと思います。
※ 専門的な表現も含まれていますので、分かりづらい表現がありましたら、以下の記事についてもご参照いたければ幸いです。
予防接種スケジュールと母子手帳
大切な赤ちゃんが生まれ、出生届を出したらもらえる母子手帳。
母子手帳は1948年に世界で初めて日本で考案され、世界30カ国以上に普及しました。
母子手帳に記載される予防接種スケジュール表は、世界中の親御さん達を助けています1)
予防接種スケジュール表をみると、ほとんどは10歳になるまでが対象です。
実際に小児科外来をしていると、「予防接種は小さい子供達が受けるもの」と勘違いされている親御さんは多いです。
10歳を過ぎても打つべき予防接種がある
10歳を超えてから接種するべき予防接種は、実は2つあるのです。
1つめは11歳に接種が推奨される「二種混合ワクチン」。
もう1つが、12歳から16歳に推奨される「HPVワクチン」です。
子供が大きくなったから予防接種は終わりと思わず、是非懐かしい母子手帳を見返して、10代に打つべき予防接種の事を思い出してほしいのです。
へー!10歳になってからも打たなくちゃいけないワクチンもあるんだねー。
小児科医がHPVワクチンの接種を推奨するワケ
HPVワクチンは子宮頸がんを予防する目的で作られた、まさに「がんを予防するためのワクチン」で、子供の生涯の健康を守る立場の小児科医にも推奨する理由があります。
子宮頸がんの前段階の病変だと子宮頸部のみを切除しますが、それが早産につながります2)。
そして、何より子宮頸がんによって、未来ある母親が命を奪われ、そして母親が奪われるこども達が増えてしまいます。
僕たち小児科医はこどもの人生の幸せを最優先に考えますし、それを守るのが使命なのです。
HPVワクチンって産婦人科の先生に教わったけど、小児科の先生も勧めてるんだね!
そうだね。もしかかりつけの小児科の先生がいるなら一度話を聞いてみてもいいかも知れないね!
執筆者 医師:今西 洋介
参考文献
1)Global Pediatric Health.2016.3.1-9
2)Cochran Database Syst Rev. 2017;11(11):CD012847