BuzzFeedさんで以下の論文について、みんパピ副代表の木下医師がコメントしました。
英国で12〜13歳でワクチン(2価ワクチン)を接種した女性は、子宮頸がんの発症が87%減少したという調査結果が報告されました。「The effects of the national HPV vaccination programme in England, UK, on cervical cancer and grade 3 cervical intraepithelial neoplasia incidence: a register-based observational study(英国・イングランドにおける国のHPVワクチン接種プログラムが子宮頸がんとCIN3(高度異形成、上皮内がん)の発生率に及ぼす影響:登録ベースの観察研究)」と題する論文にまとめられています。
イギリスでは、公費によるHPVワクチン接種が2008年9月から行われていますが、これにより子宮頸がんにかかる人を448人減らし、前がん病変であるCIN3も1万7235人減らすことができたと推定されています。
本研究で、若い年齢でワクチンを接種するほどリスクの低減効果が高くなることが示され、定期接種の年齢になってすぐに接種が勧められるのが理想的だと述べられています。
木下喬弘医師は、87%低下したという結果について、
HPVワクチンに集団免疫効果がある
若年で罹患する子宮頸がんでは、16型と18型の占める割合が80%以上である
2価HPVワクチンは他の型にも若干の予防効果を有する
以上3つの理由の可能性を考察しています。
また、これまでに行われた他の研究結果を踏まえても、子宮頸がん予防についても集団免疫効果があることが確からしいと述べています。
以上を鑑みて日本は定期接種の対象年齢の女子の接種率を速やかに回復すること、定期接種の期間にうてなかった人への補償、日本だけが取り残されている現状について、改めて多くの人が知る機会を設けることが必要だと述べています。