ねえねえパピちゃん。HPVって子宮頸がん以外のがんとも関係があるの?
よく知ってるね!子宮頸がんより数は少ないけど、「肛門がん」っていう病気とも関係があるんだよ!
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、子宮頸がん以外にもさまざまながんの発症に関わっていることが知られています。
中でも、我が国であまり知られていないのが、肛門がん(肛門扁平上皮がん)です。
※肛門がんの中には、腺がんや悪性黒色腫など扁平上皮がん以外のタイプもありますが、この記事ではHPVに関わる扁平上皮がんについて記載します。
※ 専門的な表現も含まれていますので、分かりづらい表現がありましたら、以下の記事についてもご参照いたければ幸いです。
「肛門がん」ってどんな病気?
食べ物の通り道のことを「消化管」と呼びます。
消化管は、口から喉を通って食道、胃、小腸、大腸と一本道になっています。
ご存知の通り、この最後の出口が「肛門」です。
消化管にできるがんは非常に多く、我が国で最も多いがんは大腸がん、次に多いのが胃がんです。
これらより頻度は低いのですが、肛門にもがんができることがあるのです。
へー、「肛門がん」っていう病気もあるのかぁ。どんなことが原因なんだろう?
肛門がんの危険因子とは?
肛門がんの危険因子としては、喫煙や、肛門を使用した性交経験、生涯の性交人数が多いことなど様々なものが知られていますが1)、中でも特に重要なのがHPV(ヒトパピローマウイルス)感染です。
肛門がんの治療法や予防法は?
肛門がんの治療としては、米国のガイドラインに準じて化学放射線療法(抗がん剤と放射線治療を組み合わせる)や手術(がんとその周辺の直腸を切除し、人工肛門を作る)を行うのが一般的です5)。
肛門がんに対するHPVワクチンの予防効果については、まだ証拠は十分とは言えないものの、ワクチン接種によって肛門がん発症のリスクを下げられるとの報告があります5)。
まとめ
HPV感染は肛門がん発症に強く関わる重要な因子です。
HPV感染を防ぐことで、肛門がんのリスクも下げられる可能性があります。
HPVって「肛門がん」にも関係があるんだね!
HPV感染を予防することで、色んな病気を防ぐ可能性があることは知っておいた方がいいよね!
執筆者:医師 山本 健人