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定期接種の年齢を過ぎてもHPVワクチン接種は意味がある理由を解説します

CATEGORY:HPVワクチンについて知りたい方

投稿日時2021.07.11

更新日時2021.07.11

執筆者 医師:宋 美玄

みんちゃん

パピちゃん、定期接種の年齢(小6〜高1)を過ぎて高校2年生以上になってしまったらHPVワクチンは打っても意味ないのかな?


パピちゃん

そんなことはないよ、みんちゃん。定期接種の年齢を過ぎても、セックスを経験しても、打つ意味はあるよ。

「HPVワクチンは高校1年生までに打つもの」「セックスでうつるウイルスだからセックスを経験した人にはもう意味がない」と思っている人も多いかもしれません。

確かに若い方がHPVにすでに感染している確率が低く打つ効果は大きいです。

でも、対象年齢を過ぎてもセックスを経験していても接種する意味はあります。

 

※ 「HPVワクチン」と「子宮頸がんワクチン」の違いについてはこちらを参照してください。

HPVワクチンは定期接種の年齢を過ぎても打つ意味がある

HPVワクチンが小6~高1までの女子には定期接種であること、またその対象年齢では無料で接種できることは少しずつ知られてきました。

しかし、高校2年生になり、接種対象年齢を過ぎてからも十分効果があることはまだまだ知られていないかも知れません。

それでは具体的に、HPVワクチンが子宮頸がんの予防に効果があるという研究結果や、効果がある具体的な年齢について詳しく見ていきましょう。

 

HPVワクチンは子宮頸がん予防に非常に有効との研究結果が出ました。

2020 年に、4価のHPVワクチンの接種で浸潤(しんじゅん)子宮頸がんが減少したことを示す論文 がスウェーデンから発表されました1)

スウェーデンでは全国規模の人口統計と保健に関する登録を用いて、2006~2017 年の間、約 167 万人の 10~30 歳の女児・女性を対象とした追跡研究が行われました。

その結果、以前から推奨されていたとおり、17 歳になる前にワクチン接種を受けた女性では88%の減少効果、17~30 歳で受けた女性では53%の減少効果が示されました。

つまり、この研究の結果、HPVワクチンは浸潤子宮頸がんに対して高い予防効果があることが示され、また若い年齢の時に接種するほど予防効果が高いことが示されたのです。

HPVワクチンは45歳まで接種できます

現在は26歳までの全ての女性でHPVワクチン接種が推奨されています。

また、別の研究から27歳以降も45歳まではHPVワクチン接種による効果があることもわかっています。

みんちゃん

定期接種の年齢を過ぎてもHPVワクチンを接種する意味はあるんだね。

 

大人がHPVワクチンを接種しても効果がある理由とは

大人になってもHPVワクチンは効果があるとお伝えしましたが、すでにセックスをしてHPVに感染してしまっていては接種の意味は薄れるように思えますね。

しかし実際には効果があります。その理由は、HPVが一度感染してしまえばそのままずっと感染し続けるというウイルスではないからです。

このウイルスは体が持つ免疫機能で排除されることが多いのです。


HPVに感染しても多くはウイルスを排除できる

1993-2000年、コロンビアでHPV陽性で子宮がん検診正常の227人の女性のHPV感染状態を約5年間継続的に評価したところ、多くは初めの6ヶ月で検出されなくなり、その後約9割が検出されなくなりました3)

セックスを経験してHPVに感染する機会がすでにあったとしても、その多くは体から消えていくと考えられます。


年齢が高くなってセックスを経験する人が増えても打つ意味はある

子宮頸がんを予防するには、定期接種(小6〜高1)の時期にHPVワクチンを接種することが理想です。

しかし、定期接種の年齢を過ぎても、HPVワクチンの接種には一定の意味があると考えられます。

たとえセックスを経験し、HPVに感染することがあったとしても、HPVの大半は免疫により体から排除されます。

そうすればHPVワクチンにより再感染を防ぐことができると考えられます。

出来るだけ定期接種の年齢のうちに打った方がいいですし、定期接種の年齢を過ぎたとしてもなるべく早く、できればセックスを経験しないうちに打つことが望ましいですが、そうでなくとも45歳くらいまでは打つ意味があると言えます。

パピちゃん

定期接種の対象年齢を過ぎたからと言って、打っても意味がないというわけではないんだね。

まとめ

子宮頸がんを予防するためにはHPVワクチンが非常に効果的で、若い年齢で接種するほど有効なことが分かっています。

定期接種の時期にワクチン接種できれば理想的です。

一方で、定期接種年齢を超えても、45歳まではワクチンの有効性が確認されており、接種には意味があるといえます。

執筆者 医師:宋 美玄

宋美玄

引用文献

  1. Lei J, et al. HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer. N Engl J Med. 2020 Oct 1;383(14):1340-1348
  2. Cosette M W, et al. Lancet Infect Dis . 2016 Oct;16(10):1154-1168.
  3. Molano M et al. Am J Epidemiol 2003;158:486-494.
定期接種の年齢を過ぎてもHPVワクチン接種は意味がある理由を解説します