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高1女子と高1女子の母親に聴取|みんパピ!全国アンケート調査結果

CATEGORY:HPVワクチンの接種率について

投稿日時2021.11.10

更新日時2022.04.09

執筆者 医師:みんちゃん、パピちゃん

みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクトは

  1. 現在のHPVワクチン接種率
  2. HPVワクチンの接種につながる情報

を調査するため、(株)M&A協力の下全国規模のウェブアンケートを実施しました。

アンケートはスクリーニング調査と本調査に分かれ、スクリーニング調査では473名の高1女子にHPVワクチンの接種率を聴取しました。

本調査では、スクリーニングに協力した高1女子のうち245名により詳細な情報を聴取し、これとは別の高1女子を子に持つ母親245名に対しても意識調査を行いました。

(※サンプル数の減少に伴う本調査サンプル内の接種率を調整するため、スクリーニング調査の接種率に合わせて重み付けを実施)

本調査では、2021年8月時点での高1女子のHPVワクチン接種率は14.4%であることがわかりました。



未接種者(本人未接種ないし子どもが未接種の親)に今後の接種意向を聴取したところ、本人は32.4%、親は12.6%が接種意向であることがわかりました。


次に、HPVワクチン接種に関する4つの基本情報(①無料接種対象②有効性③HPV感染率④安全性)を順に提示し、「各項目の認知率」および「各項目認知後の接種意向」を聴取しました。

具体的には、

  1. HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)は小学校6年生~高校1年生相当の女子を対象に無料で接種が行われています。あなたはこのことを知っていましたか?(認知率の調査)
  2. あなたは今、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)は小学校6年生~高校1年生相当の女子を対象に無料で接種が行われていることを知って、HPVワクチンを接種したいと思いますか?(認知後の接種意向)

という質問を、4項目全てに対して行いました。


その結果、

  • 本人よりも親の方が各情報の認知度が高い
  • 本人においても親においても、安全性の認知度は未接種者よりも既接種者で高い
  • HPV感染率の情報は認知度が低い

ことがわかりました。




更に、各情報を提示後の接種意向を聴取した結果、本人において「HPV感染率」を知ることで接種意向が高まる(56.7%)ことがわかりました。



このことから、HPVは誰でも感染リスクのあるありふれたウイルスであることはまだ十分知られておらず、これを正確に伝えることが、HPVワクチンの接種率上昇に寄与する可能性が示唆されました。

4つの基本情報を提示した上で、なお「接種するつもりはない」と答えた方に対して、非接種意向の理由を聴取したところ、本人、親ともに「安全性に対する懸念」があることがわかりました。特に、親においては「過去にHPVワクチンに関する嫌なニュースを目にしたから」と答えた人が多く、過去の報道に影響を受けていることがわかりました。


次に、4つの基本情報に加えて、最新の研究等に基づく詳細な情報を提示し、これらの情報の認知度と接種意向への寄与度を調査しました。

本人においては、

  1. 日本では小6から高1相当の女子はHPVワクチンを原則無料で接種できるが、この期間を過ぎると約5万円の接種費用がかかる
  2. 17歳未満で4価HPVワクチンを接種すると、子宮頸がんになるリスクが約9割低下する
  3. 子宮頸がんを発症すると、約9割の方は子宮摘出手術等の侵襲的な治療が必要になる
  4. 将来のパートナーに感染させることを防ぐこともできる
  5. 日本では、HPVワクチンの接種率が低下したことにより、一学年あたり約4500人の女性が、将来防げたはずの子宮頸がんを発症する

という情報が、接種意向への寄与度が大きいことがわかりました。


特に、
「子宮頸がんを発症すると、約9割の方は子宮摘出手術等の侵襲的な治療が必要になる」という情報はまだ知らない人が多く、接種を前向きに検討する影響が大きいことがわかりました。

親においては、

  1. 17歳未満で4価HPVワクチンを接種すると、子宮頸がんになるリスクが約9割低下する
  2. 日本では小6から高1相当の女子はHPVワクチンを原則無料で接種できるが、この期間を過ぎると約5万円の接種費用がかかる
  3. 子宮頸がんを発症すると、約9割の方は子宮摘出手術等の侵襲的な治療が必要になる
  4. 中咽頭がんや肛門がんなど、他のHPV関連がんも予防できる
  5. 性交渉を開始する前にHPVワクチンを接種しないと、子宮頸がんを予防する効果が落ちる

という情報が、接種意向への寄与度が大きいことがわかりました。

 



特に、「中咽頭がんや肛門がんなど、他のHPV関連がんも予防できる」という情報はまだ知らない人が多く、接種を前向きに検討する影響が大きいことがわかりました。

 

最後に、「HPVワクチンに関する情報をどのような情報源から入手したいか」ということを聴取しました。

本人においては、学校(授業)、SNS/YouTube、病院・医療機関が上位にあがりました。

親では、テレビ番組・CM、病院・医療機関、自治体からのDMが上位にあがりました。

 


本人はSNSを情報源としていることから、その詳細について聴取したところ、特にYouTubeからの情報の入手を期待している人が多いことがわかりました。

今回のアンケート調査から、

  1. 現在の高1女子の接種率は14.4%である
  2. 接種意向に最も寄与する情報は「HPVは誰でも感染する可能性がある」ということ
  3. 接種に後ろ向きな最大の要因は安全性への懸念であり、特に親世代は過去の報道の影響がある
  4. 高1女子本人は学校やSNS(YouTube)、親はテレビと公的な情報源(医療機関・自治体)からの情報入手を希望している

ことがわかりました。

みんパピ!では、本調査を元に、学校や医療機関、自治体への情報提供に加え、YouTuberとのコラボレーションなどを通じた啓発活動に取り組んで参ります。

11月30日までクラウドファンディングを実施しておりますので、是非ご協力よろしくお願いいたします。