ねえねえパピちゃん。ワクチンってなんのために受けるの?
えーっ!そこから!?わかったわ、じゃあ予防接種の基本的な仕組みから説明するわね。
予防接種ってどんなしくみなのか、どんな種類があるか知らない方もいらっしゃると思います。今回はワクチンのしくみと種類についてわかりやすく解説します。
※ 専門的な表現も含まれていますので、分かりづらい表現がありましたら、以下の記事についてもご参照いたければ幸いです。
ワクチンは兵隊(=免疫)をつくる事でウイルスを迎え撃つ準備をします
ワクチンは、感染を起こさないようにあらかじめ病原性を弱くしたり、そもそも病原性をなくしたウイルスを体の中に入れて免疫(=抗体など)を作るものにもすぐに兵隊を用意して迎え撃つことができるのです。
病原性とはウイルスが感染症を起こす能力のことであり、弱毒性であってもワクチン自体が身体に害を及ぼす事はありません。
わかりやすくいうと、ワクチンを打つことで体に弱い敵に対する兵隊(=免疫)をあらかじめ作らせるのです。
その結果兵隊の作り方を覚えた体は、強い敵(ウイルス)が来たときにもすぐに兵隊を用意して迎え撃つことができるのです。
ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります
ワクチンには大きく分けて2種類あり、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。
生ワクチン接種では病原性を弱くしたウイルスを体内に入れます。病気にはなりませんが、その病気にかかった状態に迫る数の兵隊(=免疫)を準備できます。
不活化ワクチン接種では病原性をなくしたウイルスを体に入れます。生ワクチンほど兵隊(=免疫)を作る力は強くないため、何回かに分けて接種する必要があります1)。
HPVワクチンはこの不活化ワクチンに分類されます。
うーん、なるほど。難しいなぁ…。
じゃあ結局HPVワクチンはいつ打てばいいのかなぁ。。
HPVワクチンは2種混合と同時接種をお勧めします
小学生以上のお子さんが受けるべき定期接種は、不活化ワクチンの3種類です2)。
- 日本脳炎:小3~小6
- 二種混合:小5〜小6
- HPV : 小6~高1
※全て上記の対象年齢であれば公費接種として無料で接種することが出来ます
これまで異なる種類の不活化ワクチンは接種間隔を6日以上空けるというルールがありますが、2020年10月からそのルールは撤廃されます。
日本脳炎は小3でほとんどの接種が終わってしまうので、二種混合との同時接種がおすすめです。
実際の投与スケジュールはかかりつけの小児科さんと相談して決めていきましょう。
ワクチンは病気になるのを予防するために受けるものなんだね!
そうよ。それぞれのワクチンには特徴があるから、ちゃんと決められた時期に打つのが大切ね。
執筆者 医師:今西 洋介
引用文献
1) Centers for Disease Control and Prevention: General Best Practice Guidelines for Immunization
2) 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 2020年1月