ワクチン接種を決めたあなたへ

みんちゃん

よし、ワクチンを打つことに決めたよ！でもどこでどうやって打てば良いのだろう？

パピちゃん

そうだよね。どんな手順で申し込んだり接種すればいいのか分かると安心だよね。説明するね。

※ 専門的な表現も含まれていますので、分かりづらい表現がありましたら、以下の記事についてもご参照いたければ幸いです。

小学校6年生～高校1年生の女の子は無料で打てます

HPVワクチンにはカバーしているヒトパピローマウイルスの型の数によっていくつか種類があります。

このうち2価ワクチン（サーバリックス）、4価ワクチン（ガーダシル）は定期接種として、小学6年生から高校1年生の女子（高校1年生の年度の3月31日まで）は無料で接種できます。

接種スケジュールはワクチンの種類によって異なります。

いずれも1回0.5mlを筋肉注射します。筋肉注射の詳細は後ほどご説明いたします。

なお、一部の施設で自費で接種できる9価ワクチンについては別のページでご案内します。

保健センターで予診票を受け取り、医療機関で接種しましょう。

接種希望の方は、以下の手順で接種を受けることができます。

みんちゃん

なるほど。よく分かったよ。じゃあ、ワクチンを打った後に気をつけた方がいいことは何かあるのかなあ？

接種後30分は院内で安静に。横になって打つこともできます。

それでは、いざ接種です。ワクチンは肩に接種します。

まず、接種部位をアルコール綿（アルコールでかぶれる場合には他の消毒綿）で消毒してから筋肉注射します。

上腕の三角筋という筋肉の部位に接種します。希望があればベッドに横になって注射を受けることもできます。また注射した部位を揉む必要はありません。

全てのワクチンは接種後にアレルギー反応を起こす可能性があります。

また、一時的に『血管迷走神経反射』が起こることもあります。これは、注射の痛みや不安などの精神的な動揺が原因で一時的に起こる、立ちくらみや失神等の症状です。

これらの症状に備えるため、医療機関では接種後30分は院内でソファなど体重を預けられる場所で座るなどして待機しましょう。

また当日は激しい運動は避けてください。入浴を避ける必要はなく、普段通りで構いません。

気になる症状があれば、協力機関で相談できます

接種後に気分が悪くなったり、接種部位の強い痛みやしびれを感じた場合、まずは接種医療機関など地域の医療機関にご相談ください。

1回目の接種後に気になる症状が出た場合には、2回目以降の接種を控えることも可能です。

なお、HPVワクチン接種後に、接種部位以外の体の痛み（筋肉痛や関節痛）や脱力、しびれなどの症状が出たとの例が報告されています。

これまでの研究で、これらはワクチンとの因果関係がないことが分かっていますが、その症状に悩む方に対応できる協力医療機関が全国に設置されています³⁾。

これについては以下のリンクを参照されて下さい。

» ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関及び厚生労働科学研究事業研究班の所属医療機関（令和２年４月１日現在）

症状が出た場合には、接種医療機関とご相談の上、協力医療機関を受診することもできます。

不安なことがあれば我慢せずご相談ください。

なお、HPVワクチンを含む予防接種全般について、厚生労働省ではご相談窓口を準備しています³⁾。

まとめ

今回の記事では、ワクチン接種を決めてから実際に医療機関で接種を完了するまでの流れを説明しました。

みんちゃん

なるほど。予診票を準備してから医療機関で接種するまでの流れと、接種後の注意もよく分かったよ。

パピちゃん

自治体によってはお知らせが来るところとないところがあるので、まずは自分の住んでいる市町村に確認してね。

執筆者　医師：坂本昌彦

引用文献

1）Huh WK,et al.Final efficacy,immunogenicity,and safety analysis of a nine-valent human papillomavirus vaccine in women ged 16-26 years:A randomised,double-blind trial.Lancet 2017;390:2143
2）渡辺彰、尾内一信：そこが知りたい！成人の予防接種パーフェクトガイド.診断と治療社,2014
3) 厚生労働省.ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関及び厚生労働科学研究事業研究班の所属医療機関（令和２年４月１日現在）
4) 厚生労働省.感染症・予防接種相談窓口.