ねぇねぇ、「ワクチン」と「予防接種」てなにか違うのかな??
おんなじ意味で使われることが多いけど、厳密には意味が違うみたいだよ。確認してみよう!
「ワクチンを打つ」「予防接種を受ける」のように、同じような意味で使われることが多い「ワクチン」と「予防接種」。
実際にはそれぞれなにを意味する言葉なのでしょうか。わかりやすく解説します。
「ワクチン」と「予防接種」それぞれ厳密には何が違うのか
細菌やウイルスなどの病原体の感染を予防するために、からだに免疫をつけることが「予防接種」の目的です。
「ワクチン」とはこのために作られた薬剤そのものを指し、「予防接種」とは「ワクチンを接種すること」を意味します。
ワクチン接種、という表現が使われることもありますが、「ワクチン接種」は「予防接種」と同じ意味です。
ワクチンとは
病原体の感染による病気にかからないようにするため、もしくはかかっても症状が軽くすむために接種する薬が「ワクチン」です。
病原体の毒性を弱めたもの(生ワクチン)、病原体を無毒化したもの(不活化ワクチン)、無毒化した毒素(トキソイド)、病原体の一部の成分を再現したもの(組み換えタンパクワクチン)など、いくつか種類がありますが、いずれも、病原体に対する免疫をつけるため、という目的は同じです。
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンは、ウイルスの外側の殻だけを人工的に合成した組み換えタンパクワクチンです。
予防接種とは
「ワクチン」を接種することを「予防接種」といいます。予防接種には、「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。
「定期接種」は、予防接種法により接種が勧められているもので、麻疹・風疹・結核(BCG)・B型肝炎・HPVなどを予防するワクチンがそれにあたります。
定期接種については国や自治体からの補助によりほとんどの自治体で無料で接種できます。
「定期接種」に含まれないものが「任意接種」で、おたふく風邪ワクチンや季節性インフルエンザワクチンなどです。
任意接種については原則自費で、費用は医療機関により異なりますが、自治体によっては補助がある場合もあります。
まとめ
病原体の感染が原因の病気にかからないように、もしくはかかっても症状が軽くすむように、病原体に対する免疫をつけるための薬が「ワクチン」です。
そして「ワクチン」をからだに投与することを「予防接種」といいます。 つまり、「ワクチンを打つ」ことが「予防接種」です。
執筆者 医師:稲葉可奈子