ねぇねぇパピちゃん、高1の子は、9月までにHPVワクチンの1回目をうたないと全部無料にならないんだよね?もう間に合わないのかな?
原則はそうなんだけど、なんとかまだ間に合うみたいだよ!
全3回を無料で接種するためには、高1の3月までに3回目を接種しないといけません。
一般的には全3回のHPVワクチン接種に6ヶ月かかりますが、接種間隔を短縮することで、11月末までに1回目を接種すればまだ間に合います。
※ 専門的な表現も含まれていますので、分かりづらい表現がありましたら、以下の記事についてもご参照いたければ幸いです。
今年高1の方も、11月末までに4価HPVワクチンの1回目を接種すれば、全3回を無料で接種することができます
子宮頸がんなどの病気を予防できるHPVワクチンは、定期予防接種の対象である小6~高1の女子は無料で接種できます。
一般的な接種スケジュールでは、1回目の接種の6ヶ月後に3回目を接種するので、全3回を無料で接種するには、高1の9月中に1回目を接種する必要があります。
高2になってからの接種は自費になってしまい、1回あたり1万5千円以上かかります。
4価HPVワクチン(ガーダシル)は11月中に初回をうてば間に合います!
標準的な接種間隔は上記の通りですが、やむを得ない場合は、HPVワクチンのうち、4価HPVワクチンであれば、初回接種の1ヶ月以上あけて2回目を、2回目の接種から3ヶ月以上あけて3回目を接種してよい、とされています 1,2)。
» HPVワクチンの種類について
つまり、最短で4ヶ月で3回目までうち終えることができるので、今高校1年生の子たちは、11月中に4価HPVワクチンの初回を接種すれば、3月までに全3回を無料でうつことができます。
なお、2価HPVワクチンについては、やむを得ない場合は、初回接種から1ヶ月以上あけて2回目を、初回接種から5ヶ月以上あけて3回目を接種してよい、とされています 1,3)。
つまり、最短で5ヶ月要するため、全3回を無料でうつためには、10月中に初回を接種する必要があります。
一般的でない、や、やむを得ず、と聞くと、心配される方もおられるかもしれません。
しかし、添付文書や定期接種実施要領に明記されている接種方法ですので、効果や安全性は標準的な接種スケジュールと同等です。
標準的な接種スケジュールではないってことだけど、どこの病院でも対応してくれるのかな、、?
短縮バージョンの接種スケジュールでお願いしたい場合は、必ず主治医の先生にお伝えしましょう。
あくまで標準的な接種スケジュールではないため、すべての先生が認識しているとは限りません。
ですので、今年高校1年生でこれから初回を接種しに行かれる方は、受診した際に
- 3月までに3回目まで接種したいこと
- そのために、短縮バージョンの接種スケジュールで接種してもらいたいこと
を先生にお伝えすることをおすすめします。
また、1回目接種後にもし体調がすぐれない場合などは、無理に2回目を接種せずに、かかりつけの先生に相談しましょう。
まとめ
今年高校1年生の子は、11月中に4価HPVワクチンの初回を接種すれば、全3回を無料で接種できます。
ただし、標準的な接種スケジュールではないため、接種間隔について必ず先生に相談しましょう。
せっかくなら無料でうてたら嬉しいよね。まだ間に合うとわかってよかった!11月中に1回目を、だね。
一般的なうち方ではないから、1回目をうちに行った時に、先生と接種間隔を相談しようね!
執筆者 医師:稲葉 可奈子