最近、新しいHPVワクチンが承認されたって聞いたんだけど、どんなワクチンなのかな?
9価HPVワクチンのことだね。いつから接種できるのか、効果や安全性の違いはどうなのかとか、気になることを確認してみよう!
世界ではすでに主流となりつつある9価HPVワクチン。日本での現状をわかりやすく説明します。
※ 専門的な表現も含まれていますので、分かりづらい表現がありましたら、以下の記事についてもご参照いたければ幸いです。
日本でも9価HPVワクチンが承認されました
3種類あるHPVワクチンのうち、一番新しいのが9価のHPVワクチンです。
» HPVワクチンの種類について
日本でもようやく、2020年7月に9価HPVワクチンが承認されました。
2020年11月現在、まだ発売準備中で、価格もまだ分かりません。
9価HPVワクチンが定期予防接種の対象となるかどうかは、今後検討されていく見込みです。
発売後は、自費であれば接種可能となります。
(今も、9価HPVワクチンを接種できる病院はありますが、医療機関が個人輸入して提供しています。)
そっか、9価ワクチンの日本での発売はまだこれからなんだね。
2価や4価よりも9価の方がいいの?
子宮頸がんやその前がん病変の予防効果は9価が最も高いです1,2,3)。
こちらの記事もご参照ください。
» HPVワクチンの種類について
特に日本人は、子宮頸がんの原因としてHPV 52, 58型が多いという特徴があり、2価・4価ワクチンでは、子宮頸がんの原因となりうるハイリスクHPVの約6割しか予防できません4,5)。
一方で、9価ワクチンであれば、日本人でも約9割のハイリスクHPV感染を予防できます。
つまり、日本人にこそ9価ワクチンが必要、とも言えます。
9価ワクチンが定期予防接種の対象となるのを待つべき?
もし定期予防接種で9価が接種できるとなれば、それにこしたことはありません。
ですので、中3までの女の子は、まだ接種対象期間に余裕がありますので、高1になるまで待ってもよいと思います
ただ、HPVワクチンは初交前の接種が最も効果的なので、早めに接種するメリットは大きいことも事実です。
いずれにしても、無料で2価・4価のワクチンを接種できるのは高1までですので、この期間を逃さないように気をつけましょう。
現在高1の子は、高2になってしまうと2価・4価も自費になってしまうので、定期予防接種の対象のうちに無料で接種しておくのがおすすめです。
» 高校一年生の女の子とその保護者の方へ
まとめ
9価ワクチンは国内承認されましたが、定期予防接種になるかはまだ分かりません。
高1の子は、定期予防接種の対象期間のうちに接種を検討しましょう。
高1の子は無料のうちに2価・4価ワクチンをうっておくのがよさそうだね。
中3までの子たちは、9価ワクチンを待ってもよいけど、無料でうてるのは高1まで、ってことを忘れないようにしないとね!
執筆者 医師:稲葉 可奈子