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HPVワクチンはどれぐらいの期間効果が続くの?

CATEGORY:HPVワクチンについて知りたい方

投稿日時2021.07.29

更新日時2022.04.09

執筆者 医師:高橋孝幸

みんちゃん

ねぇねぇパピちゃん。HPVワクチンって、最初に接種してからどれぐらいの期間効果が続くのかなぁ。効果が切れてきたら、もう一度接種し直した方が良いのか気になって。

パピちゃん

確かに気になるよね。HPVワクチンの種類も3つあるみたいだし、それぞれのワクチンによって効果が続く期間に違いはあるのかなど、詳しく知りたいね!

HPVワクチンは、最初に接種してからどれほどの期間効果が持続するのでしょうか。

現在(2021年7月時点)では、小学校6年生から高校1年生までの女子が定期接種の対象年齢ですが、早く打ち始めることにデメリットはあるのでしょうか。


ワクチンの効果が持続する期間によっては、「最初に3回接種してから、期間をあけてもう一度接種した方が良いのかな」など気になる方もいらっしゃるかと思います。


この記事では、HPVワクチンの効果が持続する期間について、添付文書や海外の報告を基に解説していきます。

HPVワクチンには2価、4価、9価の3種類があります。
» HPVワクチンの種類について【引用】

このうち2021年7月現在定期接種になっているのは、2価と4価のHPVワクチンです。

 

2020年7月に9価HPVワクチンが承認されて以降、9価のHPVワクチンを接種されている方もいらっしゃるかと思います。

 

各ワクチンについて、HPVの効果が続く期間に違いはあるのでしょうか。効果の持続期間について、どのような報告があるのかみてみましょう。

添付文書に書かれているHPVワクチンの効果の持続期間

HPVワクチンの効果が継続する期間はHPVワクチンの種類によって異なります。

2価のHPVワクチンについて
2価のHPVワクチン(サーバリックス®︎)であれば、初回接種後9.4年間効果が持続と記載されています1)


4価のHPVワクチンについて
4価のHPVワクチン(ガーダシル®︎)は初回接種してから約6年間持続すると記載されています2)

さらに、4価のHPVワクチンは男性の肛門がんに対しても適応があります。

 

男性への接種の場合だと、3回接種後からの期間で9.5年間は性器周辺部位の病変の発症はなく、予防効果があるという報告があります。

これらの添付文書の報告は、「少なくともこれだけの期間は効果が持続する」ことを確認したもので、この年数を超えたら効果が切れるわけではありません。

 

ワクチンの接種後2年間までは抗体価は徐々に低下していくものの、2年以降は一定の値を保ち、HPVに自然に感染した時よりも高い抗体価を維持することが分かっています3)

 

2価、4価のワクチン共に、性交渉が始まる前に接種することで、最大の効果が得られます。

海外の研究におけるHPVワクチンの効果の持続期間について

海外の報告では、HPVワクチンを接種した後の抗体価(抗HPV抗体16/18型)は、15-25歳および26-45歳の年齢層で、自然に感染した抗体価のレベルを30年間上回ることが予測されると報告されています4)。

 

HPVに感染してから子宮頸がんになるまでの期間を考慮すると、HPVワクチンの予防効果はほぼ一生続くと考えられ、定期接種の期間(小6~高1)に接種することが大切です。

 

一方、HPVワクチンを定期接種の対象年齢で接種出来なかった方でも、ワクチンを接種することによって一定の効果が得られます。


もし定期接種の期間に接種出来なくて、どうすれば良いのかご不安な方は、こちらの記事も併せて読んでみてください。
» 定期接種の年齢を過ぎてもHPVワクチン接種は意味がある理由を説明します

みんちゃん

HPVって種類によって持続する効果の期間が違うけど、早めに接種しても問題ないんだね!


パピちゃん

そうだね、早めに打っても問題ない事が分かったね!検診も合わせると子宮頸がんが予防できることが分かったね!


HPVワクチンは早いうちに接種しても、長期間十分に子宮頸がんを予防する効果が維持されることがわかっています。

執筆者 医師:高橋 孝幸

参考文献

HPVワクチン 効果 期間