ねぇねぇパピちゃん、HPVワクチンが無料でうけられるって本当?
みんなじゃないんだ、小6~高1の女の子だけは無料で接種できるんだよ!
小学校6年生~高校1年生相当の学年までの女の子は、HPVワクチンを無料で接種することができます。
それ以外の方は、自費での接種となります。
なぜ無料接種の対象が限られているのか、自費だと価格はどのくらいか、分かりやすく説明します。
※ 専門的な表現も含まれていますので、分かりづらい表現がありましたら、以下の記事についてもご参照いたければ幸いです。
HPVワクチンの費用が無料なのは小6~高1の女の子
HPVワクチンは小6~高1の女の子を対象とした定期予防接種です。
定期予防接種の対象者は原則無料で接種することができますが、対象期間を過ぎてしまうと自費になってしまいますので、注意しましょう。
HPVワクチンは男性にも有効ですが、無料接種の対象は女の子だけ
HPVワクチンは、子宮頸がんや肛門がん、尖圭コンジローマなど、HPVの感染により引き起こされる病気を予防するためのワクチンです。
男性にも有効なワクチンなのですが、子宮頸がんの予防効果が最も大きいと期待されるため、現在日本では、女性のみが公費助成の対象となっています。
現状、男性は年齢にかかわらずHPVワクチンを接種する場合は自費となります。
男性も、初めての性交渉より前に接種するのが最も有効である点は同じです。
世界的には20ヶ国以上で男子の接種にも公費助成がされていますので、日本でも、男子も定期予防接種の対象となることが期待されます。
HPVワクチンは初めての性交渉の前に接種するのが最も有効
HPVは主に性交渉により感染するため、初めての性交渉より前にHPVワクチンを接種しておくのが最も効果的です。
17歳になるまでに接種すると、30歳までに子宮頸がんを発症する確率が88%下がります。
一方、17歳以上での接種の場合は53%にとどまります。なるべく若いうちの接種の方が効果が高いのです1)。
最も予防効果が高いのが小6~高1の女の子だから、公費助成で無料接種できるんだね!
HPVワクチンを無料で接種するためには高1の9月までに初回接種を
定期予防接種の期間を過ぎてしまうと原則自費のHPVワクチン。
自費だとかなり負担の大きい金額となるので、 接種を検討されている方はぜひ定期接種の期間内に。
HPVワクチンは自費での接種だと費用が高額です
定期接種として接種できるHPVワクチンは2価/4価のHPVワクチンです。
» HPVワクチンの種類について
いずれも自費の場合の費用は、1回あたり約1万5千円~2万円です。(病院・クリニックにより費用が異なりますので、接種前にご確認ください。)
なお、9価のHPVワクチンの場合は、年齢にかかわらず自費で、全3回で約10万円となります。
いつまでに接種すれば無料なの?
HPVワクチンは全部で3回接種します。標準的な接種スケジュールでは、1回目の接種から、2ヶ月後に2回目、6ヶ月後に3回目の接種をします。
つまり、全3回接種するのに通常6ヶ月以上かかります。
» HPVワクチン(定期予防接種)の対象年齢と接種回数について【対象年齢のお子さんは無料で接種できます】
高校1年生の3月を過ぎて以降の接種については自費になってしまうので、全3回を無料で接種するには高1の9月までに1回目を接種しましょう。
定期予防接種の期間を過ぎても特例で助成される自治体もあるので、お住まいの市区町村にお問合せ下さい。
1997-2005年度生まれの方は今なら無料です
積極的勧奨が差控えられていた期間に定期予防接種の対象であった人の中には、通知が届かなかったために無料接種の機会を逃してしまった人が多いため、1997~2005年度生まれの女性を対象に、特例で2022年4月から3年間公費助成されることになりました(キャッチアップ接種)。
キャッチアップ接種世代は、すでに接種推奨年齢を過ぎているため、なるべく早めの接種がおすすめです。すでに性交渉の経験があっても接種は有効です。
住民票がある自治体と違う自治体での接種を希望される場合は、事前に住民票がある自治体へご確認下さい。
高校1年生の女の子は、9月までに1回目を接種するのを忘れないようにだね!キャッチアップ接種についても知っておこうね!
まとめ
HPVワクチンの効果が高い小6~高1までの女子が定期接種の対象で、その間は無料で接種できます。
3回の接種を全て無料で接種するためには、高校1年生の女の子は、9月までに1回目を接種しましょう。
男性にもHPVワクチンは有効ですが、現在は年齢に関わらず自費となります。
執筆者 医師:稲葉 可奈子