本記事では、子宮頸がん検診は誰が受けるべきなのかについてお話します。
子宮頸がん検診は20歳以上の女性が対象です
対象は20歳以上の女性で2年に1回子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。子宮頸がんの受診の仕方、費用についてはこちらの記事を参照して下さい。
子宮頸がんは20歳代後半から罹患率が徐々に上がり、40歳代にピークを迎えます1)。
特に近年、20、30歳での罹患率が上昇しており、20歳を超えれば検診に行くようにしましょう1)。
20歳以上なら全員検査を受けるべきですか?
基本的に全員が検査を受けることが推奨されますが、以下についても参考にしてください。
HPVワクチンを受けた方
2価、4価のワクチンを受けた方は6-7割、9価のワクチンを受けた方は約9割子宮頸がんを防ぐことができるとされています。
HPVの種類についてはこちらの記事についても参照されてください。
HPVワクチンと検診を組み合わせて行うことで子宮頸がんの95%を予防することができるとされています2)。
・性交渉の経験がない方
子宮頸がんの原因のほとんどがHPV感染によるものであるため、性交渉の経験がない場合は子宮頸がんになる可能性は低いと言えます。
しかしながら、子宮や卵巣にかかわる病気は他にもあるため、不正出血など気になる症状があれば産婦人科受診をお薦めします。
診察を行う場合も器具や方法など工夫できますので、問診の際、性交渉の経験がないことを伝えて頂ければと思います。
・妊娠中の方
妊娠中も子宮頸がん検診を受けることができますが、妊婦健診で初期に子宮頸部細胞診(頸がん検診と同じ検査)が予定されていますので、妊婦健診担当の先生に受診の必要があるかご相談ください。
症状がなくても、検診を定期的に受けることが大切
子宮頸部異形成や子宮頸がんの初期は、自覚症状がほとんどありません。
また、HPVの持続的な感染ががんの原因になるため(リンク:子宮頸部異形成と子宮頸がんの発生)過去に受けた検査が大丈夫でも、次も必ず大丈夫と保証することができません。
しかしながら、病気を早期に発見することができれば、子宮を残して治療できることもあり、定期的に検診を受けることが大切です。
まとめ
HPVワクチンを受けるだけでなく、定期的な子宮頸がん検診も合わせて行うことが、子宮頸がんの予防・早期発見のために大切になります。
執筆者 医師:三ッ浪真紀子