ねえねえパピちゃん。HPVワクチンってなんなの?なんのために打つの?
いい質問だね。じゃあ今回はHPVワクチンの基本から説明するね。
本記事では、『HPVワクチン』とはどういうワクチンなのか、その特徴を分かりやすくお伝えします。
※ 専門的な表現も含まれていますので、分かりづらい表現がありましたら、以下の記事についてもご参照いたければ幸いです。
HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を防ぐ『HPVワクチン』
HPVワクチンは、『子宮頸がんワクチン』と呼ばれることもありますが、『子宮頸がんのみを予防するワクチン』というよりも、正確には『HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するワクチン』です。
つまり、子宮頸がんのほかにも、HPVが原因となる病気(以下「HPVって何?」の記事を参照)を予防することができます。
HPVワクチンを接種することで、HPV に対する『抗体』が体内でつくられて、HPVの感染を防ぎます1)。
HPVワクチンってHPVの感染を予防するワクチンだったのかぁ。知らなかったぁ。
HPVワクチンは、多数存在するHPVの型のうち、特に重要な型の感染を予防する
HPVには200種類以上のタイプ(遺伝子型)が見つかっています。HPVワクチンでその全ての感染を予防することができるわけではありません。
予防できるHPV型の数によって、2価・4価・9価の3種類のHPVワクチンがあります。
HPVワクチンは筋肉注射、効果は10年以上持続
HPVワクチンは、筋肉注射が最も有効といわれており2)、肩の少し下に注射するのが一般的です。
筋肉注射なので、皮下注射であるインフルエンザの予防接種などよりは若干痛く感じることが多いです。
HPVワクチンの効果は、接種から10年以上持続します。推計では、約20年効果が持続すると言われています。
HPVワクチンは、小6~高1の女の子を対象とした『定期予防接種』
HPVワクチンは、小6~高1の女の子を対象とした定期予防接種です。
定期予防接種としての接種なら無料で接種できますが、対象年齢を過ぎてしまうと自費(全3回で計5~6万円)になりますので、接種を希望される方は定期予防接種の対象期間を逃さないようにご注意ください。
以下の記事も併せてご参照下さい。
» 高校1年生の9月末までに接種を始めれば、HPVワクチンは全額無料になります
自治体によっては案内が送られておらず、自分で問い合わせが必要なこともありますので、お住まいの自治体ホームページなどで確認しましょう。
HPVワクチンは子宮頸がんだけじゃなくていろんな病気を予防してくれるんだね!
そうだね。無料で打てる期間が限られてるから、打ちたい人はしっかりチェックしておいてね。
執筆者 医師:稲葉 可奈子